
僕はパーソナルトレーナー歴11年ですが、筋トレをすることでメンタル面にどのような影響があるのかを自分なりに試したことがあります。
実際感じた変化は、「精神的に安定する」「気分の上がり下がりが小さくなる」「やる気が出て毎日の充実感が高まる」など非常にプラスの効果を感じました。
ただ筋トレを実践する“だけ”ではあまり変化を実感できないこともあり、4つの方法を合わせて行うことが重要だと考えています。
この記事では、
- 筋トレが及ぼすメンタルへの効果
- 筋トレでメンタルを安定させる4つの方法
などを解説します。
今回お伝えする内容は、自分の経験をもとに解説していくため、1つの参考としてご覧ください。
個人によっては変化の出方が違うはずですが、今回ご紹介する4つの方法は何からの変化が期待できるので、実践して体感してほしいですね。
では、早速ご紹介していきます。
今回の記事の内容
筋トレがメンタルに及ぼす効果
先ほども簡単にご紹介しましたが、筋トレをすることで実感できたメンタル面の変化は、以下の通りです。
- 気分の波が小さくなり、気持ちが安定した
- イライラしづらくなり、精神的に強くなった感じがある
- 意思決定がスムーズにでき、迷わなくなった
- 気分が程よく高揚し、やる気がある状態が続く など
他にもあげればさまざまな変化を実感できましたが、筋トレをすることでこのような変化を感じています。
そもそも、なぜ筋トレをすることでメンタル面に変化が出るのでしょうか?その辺りをまず解説しますね。
テストステロンが分泌される
まず知ってほしいことは、筋トレをすると以下の3つのホルモンが分泌されるということ。
- テストステロン
- ドーパミン
- セロトニン
これらがメンタルと深い関係があり、このホルモンの特徴を知ると、筋トレとメンタルとのつながりがよく理解できると思います。
筋肉をつけるような筋トレをすることで、体内でテストステロンという物質が分泌されます。
テストステロンは、
- 骨や筋肉をつくる働きに関与する
- 体脂肪を減らす
- 精神的に安定し、前向きな気持ちになる
などの作用があると言われており、精神的な変化をもたらす物質の1つとも言えます。
ドーパミンが分泌される
また、テストステロンと同じように分泌されるのがドーパミンという物質。
聞いたことがある方も多いと思いますが、ドーパミンは主に、
- 運動調節
- ホルモン調節
- 快の感情
- 意欲
- 学習などに関わる
と言われており、筋トレによってやる気が出やすくなるのは、ドーパミンの作用が関係していると考えられます。
セロトニンが分泌される
そして、もう1つ重要なホルモンが「セロトニン」です。
先ほどご紹介した、
- テストステロン
- ドーパミン
は、興奮作用がありますが、それらとは逆に、セロトニンはリラックス作用が高い。
- 副交感神経を優位にし、自律神経を整える
- 精神的に落ち着き、気分が安定する
- 免疫力を高め、風邪をひきにくくする
などの作用があります。
自律神経とメンタルの関係
筋トレを行うことでこういった3つのホルモンが分泌され、自律神経が整うと考えられます。
現場でクライアントさんを指導したり実体験を考慮しても、メンタル面に何かしらの問題を抱えている方は、
共通して、自律神経が乱れている
という傾向にあるんですね。
筋トレを行い、3つのホルモンなどが分泌され自律神経が整う。その結果、メンタル面でプラスの効果が期待できるということです。
ただ、中には筋トレをするだけではメンタル面の変化を実感できない方もいるかもしれません。
筋トレ後に筋肉を緩めるとメンタルが変化する
僕自身も、“筋トレだけ”を行っていると、あまりメンタルへの変化を感じないどころか逆にイライラが増すことがあります。
これは、以下の理由が考えられるんですね。
- 元々ストレスが多く、自律神経が乱れている
- 筋トレでハードに鍛える
- 筋肉が硬くなり、過度な興奮状態となる
- 自律神経がさらに乱れてしまう
- その結果イライラが増し、不安さが出るなどメンタル面が乱れる
現代人はストレス過多の方が多く、自律神経が乱れがち。
そういう方がハードな筋トレのみをしてしまうと、逆効果になる可能性もあるんですね。
おそらく今、「筋トレをしても、あまりメンタル面に変化を感じない…」という方は、
- 筋トレの強度や量に問題がある
- 筋トレ後の過ごし方に問題がある
- 栄養に不足がある
などが原因で、あまり変化を実感できていない可能性があります。
そういった方は、
筋トレをする → 軽く有酸素運動をする → 筋肉を緩める → 適切な栄養補給をする
この流れができると、メンタル面の変化を実感しやすくなり、筋トレの効果をより体感できるはず。
ここまでのことを一度整理すると、
- 筋トレをするとドーパミンなどのホルモンが分泌される
- これらのホルモンによってやる気が起こりなど興奮状態になる
- それによって気分が高まり、活力なども生まれる
- 同時に、有酸素運動などでリラックスさせることで自律神経が整う
- 自律神経が乱れることで不安感やイライラが増す
- 筋トレ→有酸素運動などの流れでより自律神経が整い、メンタルが安定する
ということです。
自律神経のことについては、以下の記事で詳しく解説しているので、合わせて参考にしてみてください。
では、具体的にどのようなことを行えば筋トレでメンタルの変化を実感できるのでしょうか?具体的にご紹介しますね。
筋トレでメンタルを安定させる4つの方法
筋トレでメンタルを安定させる4つの方法は、以下の通り。
- 適度に全身の筋トレを行う
- 軽めの有酸素運動を行う
- ストレッチングで筋肉を緩める
- 栄養のバランスを整える
それぞれご紹介します。
①適度に全身の筋トレを行う
まず行ってほしいことは、全身の筋トレです。
ここに関しては、
- 筋トレの経験年数
- 仕事や家事での疲労度合い
- 筋トレに避ける時間
などによって変わってきますが、基本的には全身の筋肉を適度に刺激する筋トレを行います。
目安とすれば、
少しきつめに感じる強度で行う
ようにすれば、先ほどご紹介したテストステロンやドーパミンなどは適切に分泌されます。
メンタルを安定させたい男性の場合は、筋肉をつけるようなハードな筋トレでもOK。とはいえ、筋トレ初心者であれば、飛ばしすぎないように注意が必要ですね。
メニューは、以下の記事で紹介している内容が参考になると思うので、よかったらどうぞ。
もしメニューに迷う方は、まずは以下のメニューを実践してみてください。
- 腕立て伏せ
- スクワット
- 腹筋
- 背筋
それぞれ「ちょっときついな…」と感じるまで行い、各3セットずつ行ってもらえればOKですね。
②軽めの有酸素運動を行う
ここからが非常に重要で、まずは筋トレで全身を刺激していきました。
そうすると、ある程度硬くなっていた全身の筋肉がほぐれます。この状況で、
- ウォーキング
- ジョギング
- ランニング
など、気持ち良く感じるようなペースで軽めの有酸素運動を行います。
ここでのポイントは、リラックスした状態で行うということ。そうすると、筋トレでほぐれた筋肉がさらに柔らかくなります。
そうすると血流が改善し、疲労回復にもつながりますし、脳の働きも活性化されるんですね。
そして、一定のリズムで有酸素運動を行うことで、
- 脳に快の刺激が加わる
- 脳でセロトニンが分泌される
- 筋トレで興奮状態の体を、よりリラックスさせられる
こういった変化が出てきます。
そうすると、乱れ手気味だった自律神経も整い、この辺りから気持ち的に安定した感覚が出てくると思います。
ちなみに、筋トレの疲労回復をよりしたい方は「プロが教える!筋トレの疲労回復を効果的に行う5つの方法」も参考に実践してみてください。
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③ストレッチングで筋肉を緩める
そして、軽めの有酸素運動を終えるとお風呂などに入り、身体を清潔にしつつ温めます。
この①・②だけでもメンタル面への効果が期待できますが、ぜひあわせて行ってほしいのがストレッチングで筋肉を緩めるということ。
時間設定については、
- 時間がない方=各30秒ずつ
- 時間がある方=各2分間ずつ
行います。
このストレッチングは、副交感神経への刺激が増し、より自律神経を整えることができるんですね。
全体の流れとしては、
- 筋トレによって交感神経を刺激し、一度興奮状態にする
- 軽めの有酸素運動を行い、疲労回復をさせる
- そして、ストレッチングで全身の筋肉を緩める
元々自律神経が乱れている方は、こうやってあえて筋トレで興奮させる→リラックスさせるという流れをとると、非常に自律神経が整いやすくなります。
その結果、本来の精神状態に近づいたり、安定したメンタルな状態になるというわけです。
ストレッチング方法については、この動画で解説しています。
そして、もう1つ忘れてはいけないのが栄養面の調節ですね。
④栄養バランスを整える
先ほど「セロトニン」という物質をご紹介しましたが、セロトニンは「トリプトファン」というアミノ酸が原料。
トリプトファンというアミノ酸は、
- お肉
- 魚
- 豆
- 乳製品
などに多く含まれています。また、トリプトファンを作るときに必要なその他の栄養は、
- 炭水化物
- ビタミンB6
など。
この3つを適切な量確保できていないと、セロトニン量が不足し、筋トレなどをしてもあまりメンタル面の変化が実感できないことがあります。
ですので、メンタル面での変化を実感したい方は、こういった栄養バランスを整えることも重要なんですね。
1つの参考例としては、以下のような和食中心の食事をすれば上記の3つの栄養素は確保でき、栄養バランスも整ってきます。
こういった栄養面のバランスを整えることも、筋トレでメンタルの改善を行う上では、非常に大切なことです。
ここまでお伝えした、
- 適度に全身の筋トレを行う
- 軽めの有酸素運動を行う
- ストレッチングで筋肉を緩める
- 栄養のバランスを整える
この4つの方法を行えば、筋トレを行うことでメンタル面の変化を実感できるはずですので、ぜひ参考に実践してみてください。
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その日の体調に合わせて変化させる
あと必ずおさえておいてほしいことは、毎日同じメニューにする必要はないということです。
その日、その時の自分の体調に合わせて方法や強度を変化させる
ということが、最適な方法になります。
実際、トレーナーの僕でも毎日の体調やメンタルも変化するので、
- 身体が元気 → 追い込むような筋トレ
- しんどい → 軽めの筋トレ
みたいな感じで、体調に合わせて変化させるとよりメンタル面は安定します。
一番避けたいことは、
しんどいけど、筋トレをやらないといけない
というmustになってしまうと、逆効果になりかねないので、思考を固めるのはNGですね。
自分に対して“快”の刺激を常に加えるようなイメージでいれば、筋トレなどをすることがメンタルの改善につながることが実感できるので、ぜひ自分に合った方法をみつけてくださいね。
筋トレでメンタルを安定させる4つの方法のまとめ
今回は、筋トレがメンタルに与える効果などについて解説しました。
今回の記事のまとめ
- 筋トレをするとテストステロンやセロトニンが分泌される
- これらによって自律神経が整える
- その結果、メンタルでの変化が起こりやすい
- 効果をより実感するためには、全身の筋トレを行う
- その後に軽めの有酸素運動やストレッチングで筋肉を緩める
- あと、栄養バランスも整える
- そうすると、よりメンタルの変化を感じやすくなる
こういった内容をお伝えしました。
今回の内容が少しでも参考になればうれしく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!